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給与計算ソフト7選:100人の見積もりで見落とす「課金対象」

People Ops Buyer 編集部 · 日本 · 日本語版 · 更新日

従業員100人の国内給与を自社で処理するなら、まずfreee人事労務スターター、ジョブカン給与計算、PCAクラウド給与を比較します。

freeeは情報収集から給与まで、ジョブカンは既存の勤怠との組み合わせ、PCAは複雑な給与体系を扱う担当者向けの対抗候補です。 ただし「100人」の数え方は同じではありません。

休職者も課金対象になる製品があり、別の製品では書類を配信した人数が請求に影響します。

最安の月額だけで決めず、年末調整、通知、修正、端末環境まで含めた運用で選びます。

給与を払った人数と、ソフト代を請求される人数は同じとは限りません。

目次
  1. 対象は、100人規模で国内の給与計算を自社運用する会社
  2. 7製品を選ぶ理由と、契約前に止める条件
  3. 1. freee:給与と情報収集を一緒に整えるなら
  4. 2. ジョブカン:メールが使える前提で切り替えない
  5. 3. PCA:複雑な規定を持つ給与担当者の対抗候補
  6. 4. マネーフォワード:動いている勤怠を残す選択肢
  7. 5. 給与奉行:100人目と101人目を別々に見積もる
  8. 6. ジンジャー:全社刷新は必要ですか
  9. 7. 弥生:低いソフト代と設定支援は別の話
  10. 100人の料金比較:何人を、何のために数えるのか
  11. 商談に持ち込む4つの架空ケース
  12. 最終判断は、担当者が翌月も回せるか

対象は、100人規模で国内の給与計算を自社運用する会社

日本法人があり、国内の給与実務を担当できる人がいる会社を想定します。必要なのは給与計算、明細配信、年末調整の運用です。給与ソフトの契約で担当者まで手に入るわけではありません。

順位は公開された製品仕様、料金、ヘルプをもとにした編集部の判断です。操作性や計算精度を実測したランキングではありません。最初の3製品を出発点に、既存の勤怠、複雑な支給ルール、担当者の端末環境に合わせて入れ替えてください。7社すべてと商談する必要はありません。

7製品を選ぶ理由と、契約前に止める条件

従業員100人、日本国内の給与を自社で計算する場合の候補
製品・プラン選ぶ理由先に確認すること
1. freee人事労務 スターター給与と従業員からの情報収集をつなぐ勤怠承認が必要なら上位プランの範囲まで見積もる
2. ジョブカン給与計算 有料プラン既存のジョブカン勤怠と組み合わせるメール機能の制限解除は、有料契約だけでは確約されない
3. PCAクラウド 給与複雑な給与体系を扱う担当者向けの対抗候補Windows環境、同時利用数、PCA Hubを含めた構成
4. マネーフォワード クラウド給与KING OF TIMEを残して給与連携を検討する51名以上は専用の料金体系。小規模プランを外挿しない
5. 給与奉行クラウド担当者と専門家が関わる運用を組む100人上限の区分、通常利用者と専門家のライセンスの違い
6. ジンジャー給与人事・勤怠・給与を同時に見直す年末調整の情報収集を含む製品構成と総額
7. 弥生給与 Next ベーシックライト設定を自社で担い、費用を抑える選択肢独自計算式の作成支援は、このプランに含まれない

1. freee:給与と情報収集を一緒に整えるなら

freeeのプラン比較では、スターターで従業員による年末調整情報の入力や変動手当を扱えます。給与計算だけでなく、情報を集める段階から見直す会社の最初の候補です。

編集部の判断:勤怠の承認までfreee内で行うなら、最初からスタンダードの範囲で見積もってください。安いプランを契約してから必要な承認工程を外に残すのでは、導入の目的がずれます。後述の金額はスターターの計算例であり、承認機能を含む上位構成の価格ではありません。

2. ジョブカン:メールが使える前提で切り替えない

ジョブカン給与計算は給与規定グループ、計算式の設定、勤怠サービスとの連携を案内しています。有料の給与計算プランでは、人事労務の有料契約がなくても年末調整を利用できる一方、他サービスとの連携には対象サービス側も有料契約が必要です。

見落としたくないのは、メール機能の利用にはサポートへの申請が必要で、有料契約でも制限解除できない場合がある点です。自動通知、明細の一括送信、年末調整関連の通知などが対象です。お試し・無料プランは解除対象外とされています。

編集部の判断:ジョブカン勤怠をすでに使っているなら、条件次第で1位に上げます。ただし、ペーパーレス化の移行条件に「必要な通知を実際に届けられること」を入れてください。利用可否か、受け入れ可能な代替手順を先に確認します。これは計算精度の批判ではなく、移行計画を成立させるための条件です。

3. PCA:複雑な規定を持つ給与担当者の対抗候補

PCAは複数の給与体系、計算式、自由に設定できる給与項目、遡及計算などを案内しています。標準的なデモでは省かれる自社ルールがあるなら、この具体性に価値があります。年末調整の電子収集や明細配信にはPCA Hubの構成も確認します。

公表されている月額16,200円・税抜の例は、同時利用1人の給与ソフトとサーバー利用料を組み合わせたものです。従業員100人分のWebサービスを含む総額ではありません。給与担当者側の動作環境はWindows 11が指定され、ARM端末は対象外です。ブラウザーで使うHubとは区別してください。

編集部の判断:実務に詳しい担当者とIT支援があり、複雑な計算を再現したい会社の3番手です。Macだけで完結させたい会社の標準候補にはしません。最も難しい計算式と過去分の修正を見せてもらい、2人目の担当者や従業員向け機能まで含めて比較します。

4. マネーフォワード:動いている勤怠を残す選択肢

マネーフォワードはKING OF TIMEとクラウド給与のAPI連携を掲載しています。今の勤怠運用を残す会社なら、先に確認したい候補です。ただし、連携の掲載だけでは、自社の項目対応、締め処理、エラー処理まで確認できません。

51名以上向けは、合意した利用量に対する固定料金、超過料金、場合によって初期費用がある体系です。小規模向けの公開料金を100人分に伸ばした試算は採用しません。給与、年末調整、ほかに必要なサービスを分けて見積もってください。

編集部の判断:KING OF TIMEの運用を維持でき、受け渡しデータを照合できるなら、上位3候補より先に進めても構いません。給与の見直しを理由に、正常に動く勤怠まで替える必要はありません。

5. 給与奉行:100人目と101人目を別々に見積もる

給与奉行クラウドのiBは従業員100人までで、利用者1ライセンスと専門家1ライセンスが示されています。法人単位の年間契約です。専門家ライセンスを、通常の給与担当者がもう1人使える枠と同一視しないでください。動作環境は日本語版Windows 11と対応するEdge・Chromeが指定されています。クラウドという名称からMac対応を推測するのは危険です。

年末調整は、申告情報の収集、給与計算、法定調書の提出を別製品でつなぐ構成が案内されています。必要な組み合わせを一つの提案書にまとめてもらいます。

編集部の判断:担当者と専門家の役割を分けて運用したい会社なら有力です。採用予定がある100人の会社は、100人と101人の両方を見積もってください。2人目の通常利用者と必要な周辺製品も含めた判断です。

6. ジンジャー:全社刷新は必要ですか

ジンジャー給与は遡及計算、年末調整計算、ジンジャー勤怠からのデータ連携を案内しています。一方、従業員から年末調整情報を収集する機能は、人事側の別オプションとして説明されています。計算できることと、申告を集める仕組みまで契約済みであることは別です。

編集部の判断:人事、勤怠、給与を一緒に変える理由が明確なら順位を上げます。壊れているのが給与処理の一部だけなら、全面移行の負担を正当化する必要があります。製品をまたぐ修正の担当者、導入工程、総額を一つにまとめてください。今回、100人の同等構成で比較できる公開総額は確認していません。

7. 弥生:低いソフト代と設定支援は別の話

弥生給与 Nextのベーシックライトは年末調整計算に対応しますが、エントリーは対象外です。ベーシックライトでは独自の支給・控除項目の計算式を設定できる一方、その作成に関する運用支援は含まれないと明記されています。導入・運用支援が必要ならベーシックやベーシックプラスの範囲を確認します。

編集部の判断:勤怠を残し、担当者が設定を担える会社の費用面の対抗候補です。評価時には、その担当者自身に最も難しい計算式を設定してもらってください。ベンダーによる設定支援を期待する会社が、安いプランのまま同じ成果を求めるのは無理があります。

100人の料金比較:何人を、何のために数えるのか

毎月100人に給与を支払い、全員へWeb明細を配信する、人数が変わらない会社を仮定します。追加の管理者は置かず、既存の勤怠を残します。料金は2026年10月1日に確認した公開情報による税抜の計算例です。移行作業、社内担当者の人件費、既存の勤怠料金などは含めておらず、同一範囲の総額比較ではありません。

構成月額または月額換算12か月の例数字の前提
ジョブカン給与計算 有料100人 × 400円 = 40,000円480,000円月内に在職・休職の期間がある利用者も課金対象
freee スターター・年払い3,000円 + 95人 × 600円 = 60,000円720,000円基本料金に5人。月払いなら60,900円
弥生 ベーシックライト・年額基本料とWeb配信3,000円 + 97人 × 200円 = 22,400円268,800円配信3人を含む。追加の勤怠・労務利用なし
PCA 給与のみ・同時利用1人16,200円194,400円ソフトとサーバーの公表例。従業員向けWebサービス等は別構成

出典:ジョブカンの料金・人数定義、freeeの料金表、弥生のプラン表、PCAの構成例。

「給与がゼロなら利用料もゼロ」とは限りません。ジョブカンは月内の在職・休職状態を数えます。freeeには給与・賞与明細の確定額などに関する契約人数の扱いと例外がありますが、支給ゼロだけを理由に年間契約の人数を減らせるとは判断できません。弥生は登録人数ではなく、その月に対象のWeb書類を実際に配信した従業員数を数えます。同じ人に複数種類を送っても1人ですが、退職者へ源泉徴収票を送れば、その月の配信人数に関わります。

年払いの差額も100人で計算します。freeeスターターの上記例では、月払い60,900円を12回払う場合との差は年10,800円です。追加人数の単価は変わりません。この差額と契約条件を比べて判断してください。

商談に持ち込む4つの架空ケース

本番ではなくデモ環境で、架空の従業員と書類を使います。税務・社会保険の正しい処理と法定帳票の期待値は、自社の国内給与担当者が用意してください。以下の金額はデータ連携や修正手順の検証用で、税額の計算例ではありません。

ケース入力する内容合格に必要な証拠
J1:時給が2種類TEST-J01。通常の10時間を1,500円、別の通常5時間を1,800円。残業等は含めない。対象の総支給入力項目は24,000円。単価・時間・元データを残す。控除は別途照合する。
J2:年末調整の申告訂正TEST-J02。提出済み回答を1か所訂正。架空書類と担当者が承認した処理を使う。訂正が計算に反映され、変更箇所と有効な出力が分かる。督促と通知の実際の配信も確認する。
J3:休職中で支給ゼロTEST-J03。在籍中、当月の給与なし、Web書類を1件配信。この月の見積もりも依頼する。給与上の処理と課金人数を分けて説明できる。ゼロ支給の計算結果だけでは利用料を判断しない。
J4:振込ファイル作成後の修正TEST-J04。ファイル作成後、銀行送信前に承認済み手当を10,000円から12,000円へ訂正。承認後の正しい結果を出力し、旧ファイルと区別できる。実送信前に振込合計・明細・給与台帳を照合する。

ケースID、期待値、実際の結果、未解決事項、担当者を記録します。これらは購入者に提案する試験であり、各製品が合格済みだという意味ではありません。必須ケースが未解決なら契約を進めない。代替手順を採るなら、担当者が実演でき、継続作業の負担と必要な追加契約まで受け入れられることを条件にします。

最終判断は、担当者が翌月も回せるか

広く給与・労務の運用を整えるならfreee、既存のジョブカン勤怠を生かすならジョブカン、複雑な給与体系とWindowsの実務環境ならPCAから始めます。KING OF TIME、専門家との協働、複数製品の同時刷新などの条件があれば、候補を入れ替えてください。

最安の一行を選ぶ前に、休職者、訂正、通知、2人目の担当者を見積書に戻してください。使わない機能を増やす必要はありません。必要な工程が料金の外に落ちていないことが先です。

導入前によくある質問

従業員100人なら、公開料金をそのまま100倍すればよいですか?

いいえ。基本料金に含む人数、在職・休職の扱い、Web書類の配信人数、同時利用者数、企業規模別の契約区分が違います。特に51名以上向けの別体系がある製品では、小規模プランの単価を外挿しないでください。

ジョブカンの有料プランなら、明細通知は必ず使えますか?

公式ヘルプでは申請による制限解除が必要で、有料契約でも解除できない場合があるとされています。必要な通知の利用可否、または受け入れ可能な代替手順を移行前に確認してください。

PCAを上位に置くのはなぜですか?

複数の給与体系や計算式、遡及計算の公開仕様が、複雑な規定を持つ会社の検討理由になるためです。安さや実測した操作性での順位ではありません。Windows環境や周辺サービスを含む構成が条件です。

この比較は実機テストによるものですか?

いいえ。公開された日本語の製品仕様、料金、ヘルプをもとにした編集部の比較です。検証ケースは購入者向けの提案であり、製品の計算精度を保証するものではありません。

出典と調査範囲

レビュー済み英語版を、日本の給与担当者向けに再構成。日本語の一次資料は2026年10月1日に確認し、ジョブカンのメール制限と弥生の配信人数の説明は10月2日に再確認しました。価格例の確認日は10月1日です。製品の実運用、顧客への取材、サポート品質の測定は行っていません。順位は記載条件に対する編集判断で、EOR Atlasのスコアとは別です。

  1. freee:プランと料金プランの範囲、支払期間、契約人数の扱い。
  2. ジョブカン:料金設定有料プランの単価と人数の定義。
  3. ジョブカン:給与計算給与規定、計算式、勤怠との連携。
  4. ジョブカン:プランの制限年末調整と他サービス連携の契約条件。
  5. ジョブカン:メール機能の制限申請、対象機能、制限解除できない場合。
  6. PCA:クラウド給与計算機能とPCA Hubとの構成。
  7. PCA:クラウド料金ソフト・サーバー料金と同時利用者の例。
  8. PCA:動作環境Windows、ARM端末の扱い、Hubとの違い。
  9. マネーフォワード:51名以上の料金利用量、超過料金、初期費用の範囲。
  10. マネーフォワード:KING OF TIME連携公表されたAPI連携。
  11. OBC:給与奉行の料金従業員区分、利用者・専門家ライセンス、契約。
  12. OBC:給与奉行の動作環境日本語Windowsと対応ブラウザー。
  13. OBC:年末調整の構成収集・計算・提出を担う製品。
  14. ジンジャー:給与遡及計算、年末調整計算、勤怠連携。
  15. ジンジャー:年末調整情報収集のオプション範囲。
  16. 弥生給与 Next:料金プラン、配信料金、設定支援の範囲。
  17. 弥生:Web配信人数の課金月内の実配信人数と重複の扱い。